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感覚と科学から考える       インテリア提案     

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こんにちは、古市伸子です。

前回に続き、ビルダーさん達は、インテリアデザイン提案が、大きな鍵を握ってる!ということを書きたいと思います。


お客様は施工力や仕様だけではなく、「その空間に入ったときの心地よさ」を感じると思えることで最終的な決め手になります。


カフェやホテルに入った瞬間、「なんだか落ち着く」「気分が上がる」と感じたことはありませんか?

お客様は、その様な空間を作りたいと思うのではないでしょうか?


私が以前泊まった英国の小さなホテル。

部屋に入った瞬間、深いブルーの素敵なカーテンと壁、やわらかな照明に包まれ、心がスッと落ち着いていくのを今も印象に残っています。

インテリアの色や光がこんなにも感情に影響するのかと、身をもって体験した瞬間でした。


この感覚は、家づくりにも大きく関係しています。

お客様は「性能」や「価格」で検討していても、最終的に心を動かすのは「その空間に身を置いたときの心地よさ」つまり、インテリアの力なのです。


インテリアには暮らしに与える心理的効果がある

インテリアは単なる装飾ではなく、人の心理や行動に深く関わります。

色彩で言うと青は集中力を高め、黄色は会話を弾ませ、緑は安心感を与えると言われています。

実際、オフィスの会議室に青を取り入れると議論が活発になる、リビングに暖色を使うと家族の会話が増える、などの研究結果があります。


素材なら、木のぬくもりは安心感を、石材や金属は重厚感や高級感を演出します。

お客様は意識せずとも「触れたときの感覚」で暮らしの質を判断しています。


照明は、同じ部屋でも、白色光では「作業モード」に、暖色光では「リラックスモード」に切り替わります。

これは脳のホルモン分泌とも関わる部分で、科学的にも裏付けがあります。

このように、インテリアは住む人の気分や行動、さらには暮らし方そのものを左右する存在なのです。


前回に続き、お客様の事例から・・・

要望は、「白を基調にナチュラルな感じ」と言われました。

白色の持つ空間イメージは、無垢で明るい、落ち着きや安心感、開放感を感じる心理的効果があります。

「明るさと開放感+ナチュラルさ」を考えていきました。


そこで、全てを白にするのではなく、素材を変えて変化を作り、柔らかな色使いの模様のあるファブリックを家具に貼りました。

これは、椅子に張ったファブリックが、より空間のイメージを強調すること、そしてポイントを作ることでバランスが整うからです。



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左右の写真は、同じ白でも素材を変えています



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椅子に模様を入れています


さらに閉鎖的だった場所を開放感のある空間に変更しました。


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Before

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After 壁をぶっ潰し、隠れていた窓を出して開放的な空間に

外の景色を眺めながら1杯飲むらしい。


このようにイメージする空間をデザインする時に感覚と科学を取り入れながらデザインしていきます。


説得力のある提案は「感覚+科学」で

お客様にとってインテリアは感覚的に「好き」「心地いい」と思うものですが、ビルダーがそれを提案する際には、科学的な裏付けや事例を添えることで説得力が増します。


たとえば、「この色を選ぶと落ち着きますよ」ではなく、「色彩心理学でも青は集中力を高めると実証されています」と伝える。


「この照明はリラックスできます」ではなく、「研究でも暖色系の光がストレスを和らげる効果があると言われています」と説明する。

こうした一言があるだけで、お客様は「信頼して任せられる」と感じるのです。


研究から学ぶ 居住空間の快適さと幸福度の関係

インテリアの影響を裏付ける研究も数多く存在します。

居住空間の快適さが人々の幸福度に直接影響することが明らかになっています。

狭さや暗さが続くとストレスが増加し、逆に明るく心地よい空間に暮らす人は、自己肯定感や対人関係の満足度が高い傾向が見られるらしいです。

また空間が、整理できていないと心が病み、空間をキレイに整理し、掃除することで

心が落ちつくと言う結果も出ています。


国内の住環境学の調査でも、「自宅のインテリア満足度が高い人ほど、生活全般の幸福感が高い」というデータがあります。

特に色彩や照明の満足度が高い家庭では、家族間のコミュニケーション頻度も上がることが示されています。

これらの結果は、インテリアが「ただのおしゃれ」ではなく「暮らしの幸福度を決める要素」であることを示しています。


施工力に加え、インテリアを提案できる力を持つことは、これからの時代にビルダーが選ばれる大きな理由となるでしょう。


お客様の未来の暮らしを彩る提案力を、是非、磨いていきたいものです。


また、プロであれば研究、科学的根拠に基づいたインテリア提案をすることを身につけて、実践して欲しいと思います。

論理的に説明ができることで説得力のある提案になります。


その結果、お客様の暮らしに大きな変化をもたらし、暮らしの質が上がることができれば最高です。



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